〜すばらしき免疫の力(第2回)〜

 ある映画のお話です。10歳の少年が悪性の脳腫瘍に侵され、医師からはあと数ヶ月の命と宣告されていました。少年は、とても蝶が好きで、アフリカの奥地にしかいない珍しい蝶を1度見てみたいと強く願っていました。少年の願いを叶えてあげたくて、彼の母は、ある生物学者に相談しました。生物学者は、少年と彼の母の思いの熱さにうたれ、その蝶を探しに少年と2人でアフリカのジャングルへと出かけたのです。
 少年を病人扱いしない生物学者に、とまどいながらも心を開いて行く少年、憧れ続けていた蝶に出会った時は、自分で網を持って走り続けました。やっとつかまえたかと思った時、生物学者と少年は大きな谷底に転落してしまいました。少年はどうにか自力で這い上がることができたのですが、生物学者は足を負傷して動く事ができません。少年は夕闇の中、キャンプで待つ母親の元へ1人で助けを求めに走ります。少年には、暗くなって行く中で見るジャングルの植物や動物全てが、自分を襲ってくるモンスターのように見えます。その時、夢の中で出てきた森の精霊達が、少年の頭の中の腫瘍を吸い取ってしまったのです。少年が体力を回復したとき、なんと脳腫瘍がすっかり消えてしまっていたのです。
 実はこれは本当にあった事なのです。実話を元に作られた映画の話です。こんな奇跡のような自然治癒は、何万人に1人という確率ではあっても、起りうる事なのです。人間の心と免疫力は密接な関係があって、自然治癒という現象は、体の中の普段は働かなかった免疫細胞が、何かのきっかけでガン細胞を認識し、一気呵成に働いたのではないかと考えられます。恐るべき生命の神秘です。
 昔から病は気からと申しますが、心の元気がなくなると、大きな病気につながりかねません。一旦難しい病気になったら、映画の少年のようには行かないでしょう。日々の心がけで、心身共にハツラツとした体でいたいものです。次回は心の健康イコール身の健康についてお話したいと思います。お楽しみに!

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My First Seat 〜私の特等席〜 2005.10掲載