話し方教室からの便り(第9回)

 私の話し方教室に生徒さんに差し上げるテキストで「心の成長」と呼ばれているものがあります。
 その中に「苦しい時こそチャンスがあると考え明るいものの考え方をします」という一節があります。先日、ある生徒さんが、この点について興味深い話をなさいました。
 この方は町の診療所を指導なさるコンサルタントです。ある時、お客様からアルバイトの先生に対する患者さんの苦情が多く、どう指導してよいか分からないという相談を聞いたそうです。するとこのコンサルタントの方は思わず「それはチャンスですよ」と言いました。怪訝な表情をするドクターに思わず出た言葉が「それはチャンスですよ。この機会に若い先生方のコミュニケーションを指導するマニュアル作りを一緒にやりましょう」だったそうです。
 それまで暗かったドクターの表情が明るくなりました。そして早速、その生徒さんと奥様と3人で医師と看護士向けのテキストを作り、ドクター自ら実践することでアルバイトの先生にも真似させたそうです。間もなく苦情は解消し、お二人の間には信頼関係が築きあげられ繁盛する診療所になったということです。
 問題が起きたら「それはチャンスだ!」と考え、「どうすれば解決できる?」と自分に質問を発したら紙に10の解決案を書いてベスト1を選び、早速取り掛かりましょう。

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My First Seat 〜私の特等席〜 2005.10掲載